珊瑚石の古民家は澎湖の多彩な文化を最も象徴するものです。永成古民家は合界地区にある母屋を3つもつ住宅(三落大厝)であり、最盛期には3列、8部屋、4棟の離れ家で合わせて48室ありました。
1640年代、裕福であった一族はその人数が増え続け、大規模な一族のための住居を建築しました。
全盛期には合計8部屋の住居があり、100人余りがともに暮らしていました。また、「永成」の屋号で雑貨店を営み、その裕福さは遠くまで知れ渡り、合界村でおのずと1つの集落を形成し、「永成」小集落と呼ばれるようになりました。
1960年代末期になると8部屋の荘厳華麗であった住居は次第に荒れ果て、現在ではこの地で澎湖の伝統住宅建築の美と軌跡を示すにとどまっています。
澎湖の伝統住宅では石積み窓や石刻のガラスのない窓がよく用いられています。この構造は壁面と一体化させられるほか、澎湖の強い海風による風化の脅威に比較的抗うことができます。古民家が倒壊した後も石縦格子窓だけが変わらずその姿を保っているのはそのためです。
住居の裏手には珊瑚石の壁があり、強い北東の風を防いでいます。また、壁には合計3つの窓が開いていて、船の様子の確認や潮汐の観察に便利でした。
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