二崁村ではいずれの家屋も陳家の古民家です。この二崁村は単一姓の村であり、すべての村人の苗字が陳で、澎湖でまれに見る単一姓の村落です。
二崁集落保存地区には数多くの伝統建築が存在し、至る所で赤瓦屋根の煉瓦造りの家屋が見られ、また、道はアスファルト舗装ではなく、伝統的な煉瓦敷きになっています。
その中でも代表的な家屋が二崁村6号の陳家住宅です。この古民家は元益薬舗店主であった陳嶺・陳邦兄弟が建てたものであることから陳嶺邦紀念館と呼ばれています。この地区の歴史は清朝順治帝時代に金門下坑出身の陳延益がこの地に定住したことに始まります。それ以降現在に至るまで300年余り、計9代続いていますが、陳延益が外部と交わりを持つことが少なかったことから、長い時を経て二崁村は閉ざされた集落となり、単一姓の地域になりました。
澎湖は冬に強い北東季節風にさらされるため、家屋は低地に建てられています。建築様式は「閩南五落式」に分類され、表門、客間および3部屋の私室が中庭を介してつながっています。伝統的な「口」の字型の合院様式の配置で室内外の動線が縦横に交わり、客間の前の「子孫巷」と呼ばれる細い通路はアーチ門を介した近所付き合いや避難システムを備えた防御の機能を備えています。
陳嶺邦紀念館は澎湖の珊瑚石と玄武岩を壁材に使用して屋根の構造を支えています。また、書画、陶磁器、タイル、粘土細工の伝統建築装飾の展示もあり、澎湖の伝統工芸の美を体験できます。なお、1988年4月25日に第三級古跡に指定されています。
特筆すべき点はいずれの家屋も一般的な閩南様式に加えて随所に南洋型の西洋スタイルの要素を取り入れていることです。現在すべての古民家が国の第三級古跡に指定され、子孫が居住しています。内部に入ると(別途入館券が必要)完全な建築様式や文化財を見学でき、かつての生活の情景を思い浮かべることができます。
【見学時間の目安】1時間